architects "STRUCTURE"
長谷萬本社 DLTブース
Haseman Office DLT(Dowel Laminated Timber) Booth
木ダボ接合積層材“DLT”の共同開発を行なった、株式会社長谷萬のオフィスの一角に設けられたDLTによる木質ブースである。本ブースで木材は杉を用いている。
「DLTのショールーム」と社員の休憩や打ち合わせ等の為の「マグネットスペース」という2つの機能を目的として設計された。
DLTは壁・一部の床・天井に用いられ、壁のDLTは通常のグレードのものに加え、皮の残った耳付き材を多く含むものや溝加工を施したものなど、さまざまなタイプのものを用いることで、表情の違いなどを体感する事が可能である。
一般的な無機質になりがちなオフィス空間の中に入れ子の形で木の塊を設ける事で、木材による落ち着いた空間がもたらされている。

ブース内部の様子
DLTによる木に囲まれた落ち着いた空間を体験できる。
壁は一部をニッチとしソファを設ける事で、来客時に使用したり、社員の方が雰囲気を変えて仕事をしたりする事が可能。
背面には様々な表情のDLTのパッチワークを設けている。
可動式の家具と中間に設けられたロールスクリーンによる間仕切りにより、様々な使い方が可能。

オフィスからブースを見る
家具はハイカウンターとスツールを用いる事で、社員の方々も気軽に利用できるようにした。
ブース内部は照明の色温度を電球色(赤っぽい光)とすることで、色温度の違いによる木材の表情の違いを確認可能。
照明の色の違いにより落ち着いた雰囲気となることで、仕事や休憩の際の気分転換ともなるようにした。

天井のDLTは小口も見 える事で材が積層している事がわかる。

天井はルーバーを併用し、閉塞感の緩和を図っている。

壁は様々な種類のDLTを用いることで、表情の違いを体感できるようになっている。

DLTと表情を合わせた建具

皮付の木材を用いたDLT
長谷萬本社 DLTブース
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竣工年 :2021年
所在地 :東京都江東区
延床面積:30㎡
用途 :ショールーム 兼 休憩・打ち合わせスペース
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写真提供:長谷萬