architects "STRUCTURE"
前田産業株式会社 新社屋
Maeda Industry New Office Building
霧島市の木々の中に佇む産業廃棄物処理工場の事務所の建替計画である。
設計当初はコストの観点から鉄骨造のプレハブとする事も候補に挙がったが、木を扱う仕事である事や快適性の観点から木造としたいとの要望があり、効率的ながらも落ち着いた雰囲気で業務ができる木造の事務所つくる事を目指した。
設計期間中に、コロナ禍によるウッドショックやその他の建築資材の高騰が始まったこともあり、快適性を確保しながらコスト効率をいかに上げていくか、という事が設計の要点となった。
そのため、建替前は平家であったが二階建とすることで建物のフットプリントを小さくしたり、構造材や外壁材などの材料を歩留りよく、無駄なく使用できるように建物の寸法(幅や高さ等)を決める事でコスト効率の向上を図った。
内装に関しても、梁・柱・間柱等がそのまま仕上げとなる様に工夫し、内装仕上げを省略する事で、内装工事の手間の削減を図った。
また、露出した柱は間に棚を設ける事で別途の収納が不要となり、スペースの効率的活用にも寄与している。
効率化を図った内装ではあるが、無垢の木材による温かみや壁や天井に生じた陰影が周囲に立ち並ぶ木々の風景と相まり、落ち着きのある清々しい雰囲気に満ちた新社屋となった。

アプローチ側から見る
工場(左手側)は多量の粉塵が舞うため、屋根勾配をきつくすることで屋根に粉 塵が溜まりづらいように配慮。

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駐車場から建物を見る
建物の奥が工場、手前に積荷の重量を計るトラックスケール。

出入口
効率的に空間を活用できるよう階段下に手洗いを設けている。

出入口から事務室方向を見る
天井高は低いものの、開口部が水平に連続しているため、周囲の木々の景色が取り込まれた広々とした空間となっている。

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事務室からアプローチ方向を見る
敷地出入口やトラックスケール、工場などを見渡せる必要があるため、耐力壁を筋交とする事で、様々な方向に開口部を設けている。
腰壁部分は配線スペースとなっており、仕上げの合板を外すことで、容易に配線のやりかえや隠蔽部の点検が可能。

事務室から出入口方向を見る
机を配置する箇所には配線溝が設けられており、どこからでも電源確保が可能。
窓を設けない箇所は棚となっている。

会議室1
右手にミニキッチン。カーテンレールを設ける事で、来客時には隠す事も可能。

階段
オープンな作りとする事で、2Fホールの光を下階に届ける。

ホールから会議室2をみる
工場を見渡せるように適宜開口部が設けられている。
梁下端は人が通れる程度の寸法だが、切妻屋根のため圧迫感の少ない空間となっている。

倉庫
両側を書類収納としており、中央部を広々と活用可能。

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倉庫から会議室2を見る


外部WC



前田産業株式会社 新社屋
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竣工年 :2024年
所在地 :鹿児島県霧島市
延床面積:83.85㎡
用途 :事務所
構造 :木造軸組構法
階数 :2階
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撮影 :松田考徳(動画素材工房 特級霧島動遊舎)
(※ストラクチア撮影)